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ドイツ北部の町ヴォルプスウェーデは、広々とした湿原に水路が通い、木立こだちや農家が点在する美しい土地です。19世紀末、そこに都会の生活を嫌った何人かの画家が移住します。彼らの版画集『ヴォルプスウェーデより』には、これと同じ版画が色の違う紙に刷られて収められています。花模様で縁取られた画面一杯に、太い落葉松が黒々と枝を広げています。夏の夕方、枝の間からまだ明るさの残る空が、湿原を介した遠景の茂みを透かしています。大樹はほの暗くも心地よい隠れ家のようです。作者フォーゲラーはこの地の古い農家を手に入れ、内外を美しくデザインして「白樺邸しらかばてい」と名付けました。当時の作者にとって自然はロマンティックな舞台装置でした。(中村尚明)
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ドイツ北部の町ヴォルプスウェーデは、広々とした湿原に水路が通い、木立や農家が点在する美しい土地です。19世紀末、そこに都会の生活を嫌った何人かの画家が移住します。彼らの版画集『ヴォルプスウェーデより』には、これと同じ版画が色の違う紙に刷られて収められています。
花模様で縁取られた画面一杯に、太い落葉松が黒々と枝を広げています。夏の夕方、枝の間からまだ明るさの残る空が、湿原を介した遠景の茂みを透かしています。大樹はほの暗くも心地よい隠れ家のようです。
作者フォーゲラーはこの地の古い農家を手に入れ、内外を美しくデザインして「白樺邸」と名付けました。当時の作者にとって自然はロマンティックな舞台装置でした。
(中村尚明)