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少し上から見おろした静物。画面右にはガラスの水差しにアマリリス。左には質素な木のテーブルの上に、古新聞に血を滴したたらせる仔牛の頭、背後にカリフラワーとキャベツ。手前には破れた古布ふるぬのが斜めに垂れ、仔牛と水差しをつなげます。西洋の静物画には、どくろや落ちた花びらなどを描き入れて「生のはかなさ」を表す伝統があります。この絵の作者ディックスは第一次世界大戦の4年間、戦場の兵士として現実におびただしい「死」の只中ただなかを経験しました。復員後、精密な古典技法を学び、解剖学研究所で死体や臓器を写生した彼は、戦場を主題にした大作や版画集を制作します。感情をまじえず、ものをあるがままに表す姿勢は静物画からもうかがえます。(中村尚明)
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少し上から見おろした静物。画面右にはガラスの水差しにアマリリス。左には質素な木のテーブルの上に、古新聞に血を滴らせる仔牛の頭、背後にカリフラワーとキャベツ。手前には破れた古布が斜めに垂れ、仔牛と水差しをつなげます。西洋の静物画には、どくろや落ちた花びらなどを描き入れて「生のはかなさ」を表す伝統があります。この絵の作者ディックスは第一次世界大戦の4年間、戦場の兵士として現実におびただしい「死」の只中を経験しました。復員後、精密な古典技法を学び、解剖学研究所で死体や臓器を写生した彼は、戦場を主題にした大作や版画集を制作します。感情をまじえず、ものをあるがままに表す姿勢は静物画からもうかがえます。
(中村尚明)