仔牛の頭部のある静物 画像

こうし の とうぶ の ある せいぶつ仔牛の頭部のある静物

作家名
ディックス、オットー ディックス、オットー
作家英名
DIX, Otto 
生年
1891年
没年
1969年
制作年
1926年 
技法、材質、形状
テンペラ、油彩、板 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
100.0 x 70.0 cm 
受入種別
購入 
分野名
油彩その他の絵画(外国作家) 
収蔵品番号
2004-OF-001 

少し上から見おろした静物。画面右にはガラスの水差しにアマリリス。左には質素な木のテーブルの上に、古新聞に血をしたたらせる仔牛の頭、背後にカリフラワーとキャベツ。手前には破れた古布ふるぬのが斜めに垂れ、仔牛と水差しをつなげます。西洋の静物画には、どくろや落ちた花びらなどを描き入れて「生のはかなさ」を表す伝統があります。この絵の作者ディックスは第一次世界大戦の4年間、戦場の兵士として現実におびただしい「死」の只中ただなかを経験しました。復員後、精密な古典技法を学び、解剖学研究所で死体や臓器を写生した彼は、戦場を主題にした大作や版画集を制作します。感情をまじえず、ものをあるがままに表す姿勢は静物画からもうかがえます。
(中村尚明)

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