むさし野  『伊勢物語』一二段 画像

むさしの 『いせ ものがたり』じゅうに だんむさし野  『伊勢物語』一二段

作家名
サタ ヨシロウ 佐多 芳郎
作家英名
SATA, Yoshiro 
生年
1922年
没年
1997年
制作年
1971年(昭和46年) 
技法、材質、形状
紙本着色、二曲屏風一隻 
縦(高) × 横(幅) × 奥行(厚)
140.0 x 212.0 cm 
受入種別
寄贈 
寄贈者名
佐多芳彦氏
分野名
日本画 
収蔵品番号
2004-JP-002 

平安時代、歌にまつわる話を集めた『伊勢物語いせものがたり』は、貴族として実在した在原業平ありわらのなりひらが主人公とされ、恋愛を中心とした彼の一代いちだいともみなされます。12段は「盗人ぬすびと」、通称「武蔵野」と呼ばれる話。盗んだのは女。男は親の許しを得ずに結ばれたい女を連れだしました。逃れた男女は武蔵野に逃げ込みます。追手が盗人をあぶりだすため野に火を放とうとしました。女は、このくさむらに彼もわたしも隠れているので野を焼かないでくれと男をしたう気持ちを歌にみ、命は助けられました。
佐多芳郎は、古典の研究に熱心でした。ここでは、女の心のうちに焦点を当て、愛しい人との時を夢想するかのように眼を閉じて野に横たわる女の姿だけを描いています。
(八柳サエ)

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