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白髪一雄は、床に置いた紙やカンヴァスに、足で絵の具を塗りつけて作品をつくったことで知られます。身体の動きの「痕跡」をそのまま画面に留める方法は、1950年前後から世界的にみられるようになった、新しい絵画の実践です。この作品は、そこからさらに展開して、白髪がスキー板やヘラを使って絵の具をのばし始めた時期のもの。板やヘラをワイパーのように動かすことで現れる、扇形の絵の具が特徴的です。一方、題名の梁山泊りょうざんぱくは、中国・明時代の長編小説『水滸伝すいこでん』で、豪傑ごうけつたちが戦いを繰り広げながら集まる湿地帯を指します。血なまぐささや残虐性ざんぎゃくせい、暴力性にひかれた作家の美意識が、作品の鮮やかな赤色や激しい動き、題名の由来にうかがえます。 (日比野民蓉)
「じっくりみる この一点 白髪 一雄 《梁山泊》」(動画 2021年11月)横浜美術館のコレクションを、解説をあえて加えず、細部のクローズアップや、さまざまな角度からとらえた映像でご紹介します。
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白髪一雄は、床に置いた紙やカンヴァスに、足で絵の具を塗りつけて作品をつくったことで知られます。身体の動きの「痕跡」をそのまま画面に留める方法は、1950年前後から世界的にみられるようになった、新しい絵画の実践です。この作品は、そこからさらに展開して、白髪がスキー板やヘラを使って絵の具をのばし始めた時期のもの。板やヘラをワイパーのように動かすことで現れる、扇形の絵の具が特徴的です。一方、題名の梁山泊は、中国・明時代の長編小説『水滸伝』で、豪傑たちが戦いを繰り広げながら集まる湿地帯を指します。血なまぐささや残虐性、暴力性にひかれた作家の美意識が、作品の鮮やかな赤色や激しい動き、題名の由来にうかがえます。
(日比野民蓉)