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遠くに低い青空が見える砂丘。1960年代の終わり頃から、砂と人々の群れを主なモチーフに描いてきた國領の作品においてはなじみのある風景です。画面の中央には裸婦と黒くろ装しょう束ぞくに身を包んだ女性が横たわっています。ふたりはまるで生と死の対比のように見えます。國領は70年代初頭の学園紛争の最さ中なかにいた若者たちの群れとそのなかにある一人ひとりの孤独を描き出す舞台に、砂の風景を選びました。それゆえに画面には見る者に自分自身への内省をうながすような静けさが感じられます。この作品ではさらに孤独感を強調するかのように、ここまで歩いてきた、あるいはどこかへと歩いて行ったものの跡が、いまは不在のしるしとして砂上に刻まれています。(南島 興)
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遠くに低い青空が見える砂丘。1960年代の終わり頃から、砂と人々の群れを主なモチーフに描いてきた國領の作品においてはなじみのある風景です。画面の中央には裸婦と黒装束に身を包んだ女性が横たわっています。ふたりはまるで生と死の対比のように見えます。國領は70年代初頭の学園紛争の最中にいた若者たちの群れとそのなかにある一人ひとりの孤独を描き出す舞台に、砂の風景を選びました。それゆえに画面には見る者に自分自身への内省をうながすような静けさが感じられます。この作品ではさらに孤独感を強調するかのように、ここまで歩いてきた、あるいはどこかへと歩いて行ったものの跡が、いまは不在のしるしとして砂上に刻まれています。
(南島 興)